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食欲の秋に寄せてという訳ではないですが、大阪には‘食い倒れ’という言葉があります。
この言葉は、日本中で有名ですが、関西には、食い倒れ以外にも各地に特色ある言い回しがあります。神戸は、‘履き倒れ’。神戸に多くの靴屋さんが存在していたの神戸は、坂の町なので他の都市と比較して靴やヒールーがちびりやすく(関西弁) 靴を多く買ってしまうので 神戸の履き倒れと言われました。
俺の生まれた京都は、‘着倒れ’と言われます。これは呉服問屋が多くあるだけでなく、遷都以来の着物文化社会で、京友禅、西陣織など着物全てが京都にあるからです。
高校時代、漕艇部のキャプテンを1年生からしていましたが遠征費用など工面する為に、OBが経営する染工会社(友禅などの染物を水洗いする会社)に、冬休みはバイトで働いてました。その時に気がついたのは、羽織などの表生地より裏生地のデザインの優れた物が沢山あることです。奇抜なデザインから奇想的な物まで 日本の芸術にただただ驚くばかりで 男のファッションは、チライズム、色気は、裏地にあると確信しました。
会社を経営する様になり、仕事着もジーンズから ネクタイにスーツ姿に変わりました。それに伴いオーダーメイドのスーツも毎年沢山作りましたが、どうしても裏地に懲りたいため、とうとうエルメスの大判スカーフを2枚買い、ポケットの裏地、襟の裏地までエルメスで仕立てしました。
銀座や赤坂に行き、部屋の温度は心地よいのに、この部屋は暑いと言い、さーと上着を脱ぐのはさながら‘遠山の金さん’が、肩の桜吹雪を見せると同じ感覚で、脱いでいました。
でも ドライクリーニングをする時に、ウールとシルクの収縮差と原色の多いエルメスのスカーフと背広の色との関係で同じ揮発剤が使えず、一度裏地を剥がしてからしか出来ないため、何処もドライクリーニングをしてくれませんでした。
背広の生地代、仕立て代より、エルメスのスカーフ2枚分の方が高くその時作った4着のスーツは、ゴミ箱に消えました。
でも 33年も前に買った物を今なお、保管しているシャツがあります。